2007年09月14日

概算要求から見る2008年度予算の展望

篠原 哲

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  • 8月31日に、各省庁からの2008年度予算の概算要求が締め切られ、9月11日の閣議に報告された。各省庁からの要求・要望額を合算した一般会計の「概算要求・要望額」は88兆9,208億円(2007年度当初予算:82兆9088億円)であり、前年度当初予算から約6.0兆円の増額となった。
     
  • 2008年度予算については、概算要求基準(シーリング)の段階で、(1)財政健全化の努力を継続していく。(2)歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出抑制と予算配分の重点化・効率化を実施。(3)基礎的財政収支の改善を図り、国債発行額を極力抑制する。という従来までの方針が引き続き掲げられており、昨年の「基本方針2006」で示された、「歳出・歳入一体改革」に基づく、歳出抑制路線が継続される方針が明示されていた。
     
  • 安倍総理が9月12日に辞意を表明したため、2008年度予算の編成作業は新政権の下で行われることになるが、基本的には今回の概算要求基準の方針が継続される公算が高いと考えられる。ただし歳出の拡大圧力も強まりつつあることもあり、新政権の財政に対するスタンスによっては、歳出抑制路線が継続されるかは不透明な点もある。
     
  • 2008年度当初予算は、今後の財政再建に向けた方向性を占ううえでも重要な予算となる。その意味でも、年末の当初予算の編成に向けては、歳出抑制路線が継続されるかという点と共に、概算要求・要望額で88.9兆円となった一般会計総額が、どの程度の規模まで縮減されるかが注目点になる。
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