2007年09月10日

8月米雇用は、4年ぶりの前月比マイナス

  土肥原 晋

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■見出し

・8月雇用者数は、前月比4千人の減少
・賃金上昇率は伸びを維持
・3. 景気の減速懸念を強める結果に

■introduction

9月7日に米国労働省が発表した8月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲0.4万人と市場予想の10万人を大きく下回った (図表1)。
また、6月分が12.6万人増から6.9万人増へ、7月分が9.2万人増から6.8万人増へと合計8.1万人の下方修正が行われた。このため、直近3ヵ月の月平均雇用増は4.4万人となり、それまでの3ヵ月平均16.2万人増と比較すると減少が著しい。また、2007年の月平均では10.9万人となり、2006年の月平均18.9万人、2005年の同21.2万人との比較でも、減速が目立っている。
今回の雇用統計を業種別に見ると、製造業では前月比▲4.6万人と14ヵ月連続で減少を見せる中、サービス部門が同6.0万人(前月7.8万人)と全体の増加を牽引する構造が続いている。しかし、製造業の減少幅が約4年ぶりの大きさとなる一方、サービス業では増加幅がほぼ2年ぶりの低水準に縮小し、また、住宅市場の冷え込みにより建設部門が同▲2.2万人(7月同▲1.4万人)と減少幅を拡大するなど全般的な雇用の悪化が窺われる。
なお、サービス業の中では、教育・ヘルスケア等で6.3万人(うちヘルスケアで3.5万人)、飲食店2.4万人等の増加が大きかった半面、人材派遣(Employment services)で▲2.0万人、地方政府の教育関係で▲3.2万人と比較的大きな減少となった。地方政府の教育関係では直近3ヵ月で計▲10.2万人の減少と全体への影響も小さくないレベルであるが、労働省では例年に比べ採用が手控えられたとコメントしている。
なお、8月の失業率は4.6%と前月から横這いの動きとなったが、昨年9月以来4.4%~4.6%の狭いレンジの中での上下の動きとなっている。また、週平均の労働時間(民間)は33.8時間と前月と同じだった。

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