2007年09月07日

9月ECB政策理事会~市場の不確実性に配慮、据え置きを決定

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利は4%で据え置き
・景気に対するリスクはバランスから下振れに変更
・市場の信頼感の回復が追加利上げの条件

■introduction

欧州中央銀行(以下、ECB)は6日に開催された9月の政策理事会で政策金利を4%で据え置くことを決めた。
前回8月2日の理事会後の記者懇談会で、トリシェ総裁は25bpの利上げを事実上予告、9日にサブプライム問題に端を発する信用収縮が表面化した後も、利上げと見送りの選択肢を確保してきたが、市場の流動性不足が続いたことで、見送りを余儀なくされた形だ。
トリシェ総裁は、今回の記者会見冒頭の声明の中で、「経済のファンダメンタルズは強く、中期見通しは良好」で、「物価のリスクは上振れ」という従来の判断を維持しながら、政策金利を据え置いた理由を、「金融市場のボラティリティーとリスクの再評価によって不確実性が高まって」いるため、「追加の金融政策の決定にあたっては、さらに情報を収集し、新たなデータを分析することが適切である」と説明した。
また、「物価の安定の維持」がECBの金融政策の一義的な目標である点に変わりがないが、市場の信頼感が失われ、ボラティリティーが高まっている現在のような状況では、市場の機能の正常化も重要な責務になっているという考えを示した。
ECBは6日に臨時の公開市場操作を通じて短期金融市場に422億5000万ユーロを供給し、来週、期間3カ月の変動金利、上限金額を定めない、追加的な流動性供給を行うことも発表した。

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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