2007年04月25日

一様ではないユーロ高のインパクト

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■目次

1.対欧州、アジア通貨ではユーロは安定
2.製造業の競争力は賃金抑制で向上
3.域内での競争力格差は拡大
4.解消しないユーロ高への温度差

■introduction

2005年12月に欧州中央銀行(以下、ECB)が段階的な金融緩和の除去に着手してから、ユーロの対円、対ドル相場の増価ペースは加速、最安値との比較では、増価率は5割前後にまで達している。累次の利上げと通貨高で、ユーロ圏企業の経営環境は大きく変わっていると考えられるものの、景気に大きな変調が見られないのはなぜか。
為替面では、理由の1つとして、対円、対ドルではユーロ高でもユーロ独歩高ではないことが挙げられよう。複数の通貨に対する為替相場を貿易ウエイトで加重平均した実効為替相場のユーロ高のペースは、対円や対ドルに比べ遥かにマイルドである(図表-1)。これは、約半分のウエイトを占める他の欧州通貨や、ウエイトで4番目の中国・人民元を始めとするアジア通貨との関係は安定的、あるいはユーロ安となっていることによる。対欧州通貨では、ユーロ連動型の為替制度の採用などで制度的に安定が図られているケースもある。

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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