2006年12月01日

公務員の退職給付の議論に必要な視点

文字サイズ

11月16日、被用者年金一元化の参考資料として、人事院は退職給付の官民比較を発表した。共済年金の職域部分を含めた公務員の退職給付が2,960万円であるのに対し、同じ退職事由・勤続年数なら、民間の退職給付は平均2,980万円だという。
ところが、「従業員50 人以上の企業が対象」と言いつつも、2,980万円は、調査の母集団のうち、従業員1,000人以上及び500~999人の上位2グループの数値に近い。調査された7万6,000人の内、この2グループが8割近くを占めていたことが理由のようである。
しかし、民間の正規労働者の7割は従業員500人未満の企業で働いている。退職給付の水準は、企業規模に比例しており、従業員100人未満の企業では1,000人以上の5割程度にすぎない。こうみると、この調査が共済年金の職域部分廃止の見返りに、民間に準拠した公務員への新年金を創設すべきという根拠になるのかは、首を傾げてしまう。
といって、安直な公務員バッシングにも賛成しかねる。一元化後の退職給付の水準は、懐を探り合うような金額の比較より、公務に相応しい労働条件や身分保障あるいは長期勤続の必要性など、人事院の言う、人事管理上の視点から議論すべきではないか。

レポート

アクセスランキング

【公務員の退職給付の議論に必要な視点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

公務員の退職給付の議論に必要な視点のレポート Topへ