2006年07月03日

短観速報~ゼロ金利解除の可能性高まる

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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<6月短観~設備投資の上振れリスク高まる>

  1. 業況判断DIは大企業・製造業で21(前回3月調査20)と2期ぶりに改善した。大企業・非製造業は20(前回3月調査18)と3期連続で改善した。先行きについては、製造業、非製造業ともに1ポイントの改善が見込まれている。
  2. 注目されていた2006年度設備投資計画は、全規模・全産業で前回調査の前年度比▲1.3%から+6.2%へと大幅に上方修正された。これは昨年6月調査時点の5.4%(2005年度計画)を上回る伸びで、日銀が景気の上振れ要因として挙げていた設備投資の行き過ぎが顕在化してきたと考えられる。
  3. また、需給ギャップの代理変数とされる「短観加重判断D.I.」(設備・雇用DIを加重平均して算出)は、2005年9月調査以降、4期連続でマイナス(需給ギャップの需要超過を意味する)となり、物価上昇圧力が強い状態が続いている。
  4. 経済のファンダメンタルズからはゼロ金利解除の条件は整ったと判断することができる。株価の急落、円高の急進といった金融市場の混乱などがなければ、次回(7月13,14日)の日銀金融政策決定会合でゼロ金利政策が解除される可能性が高いだろう。
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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