2006年06月20日

オフィスビル事業のブランド戦略 -大競争時代における勝ち組の条件

  松村 徹

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■見出し

1. ブランド戦略の必要性
2. オフィスビル名にみるブランド戦略
3. J-REITのブランド戦略

■introduction

現在、順調な景気回復を背景に、賃貸オフィス市場では全国的に需要が拡大している。特に、東京など一部の大都市では賃料の上昇傾向も強まっているが、東京都心のAクラスビルを頂点とする階層構造がフラット化しているわけではない。また、長期的にみれば、ゼロサムゲーム的な市場の中で、上位クラスであってもクラス内での競争激化は避けられない。
このため、オフィスビル事業において、競合ビルとの差別化のためのブランド戦略の重要性が高まるものと考えられる。ビル事業者は、ブランドの確立によって、ブランド価値を上乗せした賃料の確保や優良顧客との信頼関係の構築が容易になり、事業としての安定性と収益性の向上が期待できるであろう。
たとえば、銀座や青山などの商業施設が収益価値よりも高い価格で取引されるのは、買い手が収益価値にそのエリアのブランド価値をプレミアムとして上乗せしているためである。Aクラスといわれるオフィスビルでは、街や地域ブランドという要素はもちろん、事業者の信用力やイメージ、ビルのデザインやランドマーク性などビル本来の実用性や利便性を超えた要素にプレミアムが付き、エリア最高水準の賃料獲得が可能になっていると思われる。
このように、オフィスビル事業では、ビルやプロジェクトのブランドと、ビルを開発・所有・経営する事業者の企業ブランドが表裏一体の関係になってブランドが構築されているといえる(図表-1)。なぜなら、不動産は放置すれば経年劣化・陳腐化を免れない資産であることから、適切な維持管理を行って建築・設備の品質を維持し、優良な管理サービスを提供して顧客満足度を高い水準で維持することが事業本来のあり方だからである。

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