2006年03月31日

不動産投資市場拡大で問われる投資家の情報リテラシー

  松村 徹

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■見出し

1. 不動産投資市場の現状
2. 最近の不動産投資リスク
3. 情報リテラシー底上げの必要性

■introduction

情報を活用する基礎能力を情報リテラシーというが、不動産投資においては、不動産市場や個別物件、投資商品、市場関係者などに関する豊富で精度の高い情報を収集する能力と、その情報を科学的アプローチや経験・ノウハウに基づき解析する能力といえるであろう。
本来、不動産はその流動性の低さ、時価評価の難しさ、情報開示度や市場の透明性の低さ、ベンチマークの欠如、手数料の高さや不透明性などの特性から難度の高い投資対象であり、投資単位が大きいこともあって投資家は機関投資家などプロが中心であった。しかし、J-REIT(リート:不動産投資信託)の登場で流動性の高い小口分散投資が可能になったことや、投資環境の改善などを背景に、海外投資家はもちろん、バブル崩壊で不動産投資から遠のいていた年金基金や事業法人、不動産投資に縁の無かった一般個人にまで投資家の裾野が広がっている。
現在の投資市場において、不動産に関する高い情報リテラシーを持つプレイヤーの代表は、いまや実物不動産の最大の買手となったJ-REITやJ-REIT以上の投資実績を持つ大手生保、あるいは流動化型信託2の受託者であり年金基金のゲートキーパーでもある信託銀行などであろう。これに対して、一生に一度か二度、住宅取得という形でしか不動産投資を経験することがない一般の人々は、不動産に関する最情報弱者といえる。
現在、ファンドバブルともいわれるほど内外の資金が不動産投資市場に流入して市場規模が急拡大する一方で、さまざまなリスクファクターも顕在化している。長期的な不動産投資において大きな失敗をしないためにも、投資家は不動産に関する高い情報リテラシーを身に付ける必要がある。

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