2005年11月25日

注目される「家計消費状況調査」の動き

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

<「家計調査」では捉えきれない個人消費の底堅さ>

  1. GDP統計の民間消費支出は堅調な動きが続いているが、個人消費の代表的な統計のひとつである「家計調査」の消費支出は低迷している。
  2. 「家計調査」はIT・高額消費を中心として、サンプルバイアスにより下振れしている可能性が高い。サンプル数が「家計調査」の3倍以上で、より実態を反映しやすいと考えられる「家計消費状況調査」のIT・高額消費は足もと高い伸びを示している。
  3. このところ世帯人員の減少幅が拡大していることも、「家計調査」の1世帯当たりの消費支出の伸びが低下する一因となっている。
  4. 個人消費の実勢を見るために、「家計調査」のIT・高額消費を「家計消費状況調査」に置き換えた上で、世帯人員、世帯数の調整を行った「調整消費支出」を見ると、足もとの個人消費の底堅さが確認された。
  5. 「家計消費状況調査」は2002年に始まった新しい統計だが、昨年末からはGDP速報の推計に用いられるなど、個人消費の動向を正確に把握する上で重要な役割を担い始めている。
36713_ext_15_1.jpg
Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【注目される「家計消費状況調査」の動き】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

注目される「家計消費状況調査」の動きのレポート Topへ