2005年11月18日

ユーロ圏 - 整いつつある利上げの環境 -

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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  • 2004年6月以降に利上げに転じた米国と、2003年6月から政策金利の据え置きが続くユーロ圏との金利差の拡大は、ドル高ユーロ安の一因となってきた。
  • 10月以降、ECBによる利上げへの地ならしと受け取れる発言が相次ぐようになっている。7~9月期のGDP統計で、域内全体での景気の再加速と景気低迷国の回復が軌道に乗りつつあることが確認されるなかで、域内のインフレ率の方向の差も解消しつつあり、早期利上げの可能性は高まっている。
  • ECBが政策金利正常化への第一歩を踏み出しても、景気回復のテンポが緩やかなこと、景気低迷国の回復は外需依存の度合いが高く環境変化に弱いこと、政策変更による下振れリスクへの警戒が必要なことなどから、利上げのペースは抑えられ、欧米間の金利差と金融政策の温度差を理由とする、ユーロ安ドル高基調は当面持続するであろう。
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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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