2005年11月01日

スウェーデンの所得把握法

文字サイズ

国民年金と厚生年金の一体化を議論する時に、必ず問題になるのが自営業者の所得把握をどうするか、という問題である。しかし、スウェーデンでは、すでに1998年の改革により、自営業者にも所得比例年金を導入している。それでは所得把握がなぜ可能なのか。しばしば指摘されているのは、国民1人1人に生まれつき付与されている背番号(認識番号)を使って、所得に関する情報が管理されていることである。
しかし、それだけではない。所得を確認して保険料を徴収する税務署が、その情報を完全に公開している。誰もが他人の申告所得を知ることができるため、大きな取引の売上などの収入を隠していると、誰かが気づく可能性がある。また、自営業者は法定された帳簿を数年にわたり保管することが求められており、所得隠しや滞納には強制執行や罰則が厳しく適用されている。
わが国でも自営業者の所得把握には、納税者番号の導入が有効だという意見が有力である。しかし、税・保険料を支払うのが当然だという国民の意識を培うような、情報公開や徴税体制が万全ではないと、番号制も十分に機能しないのではないか。

レポート

アクセスランキング

【スウェーデンの所得把握法】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

スウェーデンの所得把握法のレポート Topへ