2005年03月01日

個人レベルの公的年金の給付と負担等に関する情報を各人に提供する仕組みに関する研究 平成16年度 総括研究報告書

  臼杵 政治

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■見出し

1.総括研究報
2.分担研究報告
3.研究成果の刊行に関する一覧表

■introduction

当年度の研究から得られた知見は以下の通りである。第1に、国民年金1号被保険者による加入納付行動は、(1)主観的余命、(2)リスク回避度、(3)時間選好率、(4)将来の給付減額や保険料負担増加の予測、などの要因に左右されている。一方、わが国の公的年金の加入者に対しては、(1)年金受給額、(2)財政の現状や将来見通し、(3)国庫負担の存在、(4)実質価値維持、(5)保険料免除制度、の情報が周知されていない。特に余命や予測給付額に関する情報提供が不足し、制度の正確な理解が妨げられていることが、未納未加入を増幅していた。
第2に、保険料と給付額を知らせることで、国民年金1号被保険者の制度加入・保険料支払の意思が増大する。特に生涯での保険料と給付の総額を知らせることの効果は大きい。また、将来の給付引き下げのリスクを知らせても、加入・納付の意思の低下は見られなかった。
第3に、心理学や行動ファイナンスで解明されつつある、名目価値指向や現状維持バイアスなど経済主体の行動の非合理性を前提にした理論は、公的年金への加入の意思決定への応用可能性がある。
第4に、ドイツやスウェーデン、アメリカにおける、通知その他の情報提供の実態をみると、(1)予測給付額を通知の核とし、若年層にも通知をする、(2)通知の読みやすさを
優先し、情報は重要なものに限定する、(3)通知は、インターネット・電話・マスメディアなど、他のメディアによる情報提供活動と一体としてとらえられている、という特徴があり、わが国における情報提供への示唆があった。

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