2004年07月16日

拡大EUの枠組み整備の動き

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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< EU25カ国、EU憲法案に最終合意 >

  • 6月のEU首脳会議でEU憲法案が全会一致で採択された。最終合意では、EU大統領やEU外相ポスト創設など憲法草案の枠組みは維持されたが、意思決定方式には大国主導を警戒する中小国や統合深化に慎重なイギリスの意向を反映した修正が加えられた。
  • 最終合意案は10月に正式調印後、全加盟国の批准手続きを経て、2009年11月の発効を目指している。多くの加盟国で実施が見込まれる国民投票の結果が注目される。

< 欧州司法裁判所の判決と「安定成長協定」見直しの動き >

  • 欧州司法裁判所は、昨年11月のEU財務相理事会による独仏に対する財政赤字是正手続き停止の決定は違法との判決を下した。判決は独仏への制裁発動に直結するものではないが、「安定成長協定」の内容や運用ルール見直しの動きに影響を及ぼすであろう。
  • 本格的な議論は、11月の欧州委員会の新体制発足後になると思われるが、財政規律の厳格性と予算執行の柔軟性確保の双方が必要との認識では一致しても、財政事情などに大きな幅がある中で(下図)、加盟国間の利害対立は生じやすく、意見調整は難航しよう。
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伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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