2003年07月18日

欧米経済・金融動向

土肥原 晋

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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<米国経済>

  • 米国では、下半期から景気が回復幅を高めるとの見方が強い。こうした見方の根拠は、低金利と減税の効果に期待するものである。ただし、7‐9月期に入り、直ちにその効果が現れるとは限らず、当面、主要な経済指標の動向次第で景況感が振れる局面となろう。

<米国金融>

  • 昨年のようなリスク要因(イラク問題、不正会計問題)が出現する兆候が見られない分、景気の大幅な下振れは想定しづらいものの、政策効果一巡後の米国経済が現状の期待を下回る成長パスを描くことになれば、過度の「前傾姿勢」にある米国金融市場は、一旦織り込んだ薔薇色シナリオを修正せざるを得なくなり、長期金利低下再来もあり得よう。

<欧州経済>

  • ドイツ経済の低迷深刻化の背景には欧州統合の進展による生産移転の国外シフトと政策対応の自由度の低下がある。労働市場などの構造改革の本格化は、さらに景気を下押しするリスクがある。
  • ドイツ経済のスパイラル的悪化と域内経済への波及を防止するために、当面はドイツのデフレ回避に軸足を置いた単一金融政策の運営、財政赤字3%というルールの弾力的運用が必要とされており、政策スタンスの修正は具体化しつつある。
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