2003年05月30日

GDPデフレーターとCPIの下落率格差について

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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<GDPデフレーターとCPIの下落率格差について>

  1. デフレの状況を把握する上で重要な指標である、消費者物価指数(CPI)とGDPデフレーターが、最近異なる動きを示している。消費者物価指数は前年比でマイナスが続いているもののその低下幅が徐々に縮小しているのに対し、GDPデフレーターは逆にマイナス幅が拡大し2003年1-3月期には前年比▲3.5%と大幅な低下となった。
  2. GDPデフレーターの下落率が大きくなっている要因としては、CPIよりも対象範囲が広く価格低下が著しい設備投資を含んでいることや、上昇率が低めに出やすいパーシェ型の指数を採用していること等が考えられる。
  3. デフレからの脱却という場合に、日本銀行が金融政策運営上の物価指数として、消費者物価指数(除く生鮮食品)しか挙げていないことが問題となる可能性がある。

<月次GDP>

  • 3月の月次GDPは前月比▲0.2%となった。4月は民需の落ち込みを主因として前月比▲0.3%と2ヵ月連続の減少を予測する。
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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