2003年03月25日

国債管理:その原則と日本の現状 -“A Revisionist View of the Public Debt Management in Japan -

  竹田 陽介
経済研究部 チーフエコノミスト   矢嶋 康次

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1.
本研究は、日本において緊急度を増している「数量的」国債管理政策の理論について包括的に述べるとともに、国債管理の原則から見た日本の現状について指摘する。
2.
原則は、(1)税率・インフレ率がランダム・ウォーク過程にしたがう(Barroの課税平準化)、(2)税率とインフレ率とが正の相関を有する(Mankiw の最適な貨幣鋳造益)、(3)税率と金融資産収益率とが無相関である(Bohn の最適な金融資産発行)の三つである。
3.
国債管理の大原則とも言うことができる原則(1)に関しては、日本の財政データが年次であることから、実証手法の違いによって結果が左右される。統合された政府による最適化を考える原則(2)は、先行研究によって確認されているが、近年のデータを用いると必ずしも成立していない。最後に、政府の発行する金融資産を国債に限定しない原則(3)の観点からは、1.近年の借換え債の発行が平均満期構成を短期化しているが、利子率の期間構造が順イールドの状態においてのみ正当化されるという意図が、財務省にあったかどうかは疑わしい、2.平成16 年以降計画されている物価連動債の導入は、現在のデフレ下において望ましい方策である、(3)88年度以降、残高ゼロとなっている外貨建て国債は、80年代後半以降の急激な円高化の下で原則3に逆行する政策であったことを指摘する。

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