2003年03月07日

金融・為替市場の動き

熊谷 潤一

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

文字サイズ

  1. 日銀トップ人事は総裁:福井氏、副総裁:武藤氏、岩田氏で決着した。インフレターゲット・非伝統的オペ導入等に積極的な岩田氏は、金融政策決定会合の場でこれらの導入を提案する可能性が高いが、現状の当座預金+国債買入による量的金融緩和路線が維持・強化されるにとどまろう。ただし新執行部スタートと同時に、国債買入上限問題(買入の位置づけや新たな上限・目標の設定)など政策議論が具体的に高まってこよう。
  2. 債券相場では、新総裁人事でデフレ長期化の見方が支配的となり、長期金利は再び0.7%台に低下した。債券市場への資金の流れは続くものと見られるが、4月の地方統一選挙の結果によっては、公共事業拡大への動きなどから、需給関係を崩すリスクが高まる可能性もある。
  3. 為替相場では、イラク攻撃をある程度織込んでいると思われる分、仮に攻撃開始となればドル安も限定的となる反面、イラク問題の解消だけで米経済のファンダメンタルズが好転する保証はなく、イラク攻撃終了後のドル上昇余地も昨年後半の高値程度にとどまろう。
36096_ext_15_1.jpg
Xでシェアする Facebookでシェアする

熊谷 潤一

総合政策研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【金融・為替市場の動き】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

金融・為替市場の動きのレポート Topへ