2002年02月25日

アフガニスタン復興支援における留意点

  米澤 慶一

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■目次

1.高危険度の援助(1)─ タリバン掃討後の治安維持機構の不備
2.高危険度の援助(2)─援助原資の不足
3.性急な援助思想の弊害─ 米国の動向
4.麻薬問題
5.女性の社会進出推進における留意事項
結びにかえて─わが国にとってのアフガニスタン支援

■introduction

本年1月21・22日、東京で開催されたアフガニスタン復興支援国際会議は、向こう5年間で総額約45億ドル、初年度だけでも18億ドルに上る援助諸国・国際機関からの拠出コミットメントを得て閉幕した。日本円にして総額約6,000億円、アフガン暫定行政機構のカルザイ議長から寄せられていた「初年度18~20億ドル」という要請にも概ね沿うものであり、緒方貞子支援政府代表(共同議長)やオニール米財務長官からも、円滑な議事進行とともに結果と内容に対する満足の意が表明された。
今回の会議の意義は、昨年9月11日の米国における同時多発テロ以来引き続いた対アルカイダ=タリバン掃討のための戦闘も一段落し、今後は長年に亘り疲弊・荒廃したアフガニスタンの政治・経済・社会の復興支援に注力することが国際的にも確認された点にあると思われる。しかしながら、最終日に採択された議長最終文書(共同声明)では、優先復興分野として、(1)行政能力の向上、(2)教育、(3)保健・衛生、(4)道路、電力、通信等インフラ整備、(5)経済システム(通貨制度)の再編、(6)農業及び地方開発、(7)地雷撤去といった目標が掲げられていたものの、その具体的施行のあり方については明記されておらず(進捗状況監理のため、暫定行政機構を議長とし、支援国・国際機関との共同組織による「復興調整グループ」の設置については別途発表された。年4回定期会合開催を予定)、細部にわたる組織・制度的枠組を固めつつ具体的支援実施にあたる今後の段階こそが真に重要な局面となる。
以下、本稿においては、共同声明には盛り込まれず、各種メディアによっても比較的伝えられることの少ない、しかし重要と考えられる事項を中心に、今後の復興支援局面においてアフガン復興・開発を可能なかぎり理想的に実現するための留意点を整理してみたい。

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