2002年02月25日

社債価格モデルと信用リスク情報の推定 -倒産確率の期間構造と社債価格の推定-

津田 博史

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今日、上場企業の倒産が増えており、企業が資金調達のために発行した社債の市場価格には、顕在化した信用リスク(credit risk)が反映されてきている。本稿では、普通社債の価格に焦点を当て、新しい社債価格モデルを提案し、それを社債価格データに適用して、市場でインプライドされている格付け毎の倒産確率の期間構造、期待損失額の推定や価格モデルとしての有効性を示す。本稿で説明する社債価格モデルは、社債価格の変動を把握するための実践的方法として、統計的モデル・アプローチに基づいている。統計的モデル・アプローチは、 ファイナンス理論を基礎としつつも、現実に観察される現象(金融資産の価格変動)の特性を客観的に把握し、そして、その観察・把握した結果と整合的な計量モデルを推定し、その計量モデルを通して理論的類推・説明を行うといった帰納的な推論方法を意味する。この社債価格モデルを通して、格付け毎の回収率や同じ格付け内の業種毎の倒産確率の期間構造を推定することができる。さらに、実際の社債価格データにモデルを適用することで、倒産確率の期間構造に関して有意義な知見が得られた。

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