2001年12月01日

リターンは管理できないがリスクは管理できる

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内外株式市場は歴史的な波乱状況にあるが、先日、日米両国で年金運用の実務経験がある方から、興味深い話を伺った。「年金プラン・スポンサーが集まるパーティーでの話題は、日本では最近のパフォーマンス(運用利回り)実績や期待リターンであるのに対し、米国では現状の資産配分やそのリスクである」そうだ。
米国では、年金スポンサーが管理できるのは、リターンではなくて、リスクであるという哲学が広まっているからであろう。そして、運用機関の評価においても、短期的なパフォーマンスより、期待されている投資哲学・運用スタイルに沿って、スポンサーが指示した通りにリスクを管理した運用を行っているかが重視される。
国内でも、最近、リスク・リターンの関係や運用スタイルに注目した「マネジャー・ストラクチャ-」や、資産でなく、リスク量を配分・管理する「リスク・バジェッティング」という考え方が、注目を集めている。これらの考え方が実務に浸透していけば、パーティーでの話題も徐々に変わっていくように思われる。

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