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2000年度から導入された新会計基準による決算が揃ってきた。主要上場企業の平均で、新基準の導入により、税引前当期利益が三割以上減益だったという。企業が2000年中から早めに開示を進めていたためか、格別に株価のショック要因にはならなかった。
とはいえ、新基準の影響本格化はこれからである。FAS87による開示の例からみても、2001年度以降も勤務費用や利息費用などの退職給付費用が経常利益の2、3割に達するだろう。これに実際の利回りが期待運用収益を下回る部分(数理上の差異)や移行時差異の償却などを加えると、決して無視できない大きさである。
市場全体のリターンがさえない状況下では、運用体制を強化しただけでは限界がある。そこで、積立資産を増やせば、運用収益の嵩上げで純退職給付費用は小さくなる。さらに確定拠出年金の導入など代償措置をからめ、給付水準を見直して費用・債務を減らす選択もあろう。退職給付の負担を改めて自覚し、経営・人事・財務全体の視点から制度を見直すきっかけとなる可能性が高い。
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