2000年07月01日

リスク管理の作用と副作用

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先日、リスク管理フォーラムの最終報告「リスク管理ガイドライン」が公表された。これは、年金プランスポンサー向けに、どのようにリスク管理を行ったらよいのかについて、体系的にまとめたものであり、その活用がおおいに期待される。
リスク管理によって、適切な運用が維持され、最悪の事態を事前に避けることが可能となる。年金運用の長期的成功を確保するために必要な、非常に良く効く薬である。
しかし、強い薬には副作用もある。リスク管理の副作用は、「マイオピック・ロス・アバージョン」(一応、「近視眼的損失回避」と訳す)といわれるものである。あまり頻繁にリスク管理やパフォーマンス評価を行うと、運用者はその影響を強く受けて、リスク回避的になりがちになるという考え方である。
短期的な損失回避が重視されるあまり、リスク資産への適切な投資が困難になれば、年金運用にとって長期的にマイナスとなりうる。このような副作用を予め知っておくことも重要であろう。

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【リスク管理の作用と副作用】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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