2000年05月01日

年金改革法案は成立したが

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紆余曲折の末に年金改革法が成立した。有識者調査や年金白書の出版、5つの選択肢の提示など、厚生省は、従来の枠を超えて、改革案について国民の理解を得る努力を惜しまなかったが、全国民的な合意を得るのには難航し、結局、恐れていた「政争の具」になってしまった感がある。
その原因は、マイナス成長、失業率悪化という日本経済の現状の下では、全国民に納得の行くようなパイの分配は難しく、パイの奪い合いになることは必至で、それが、まさしく政治問題となるからであろう。
年金問題は、もはや年金分野に閉じこもっては解決できない。介護・医療など他の社会保障制度、税制、高齢者雇用、男女共同参画など、国民各層にとって「我慢できる」公平の実現という重い課題が、次期「年金改革法案」の宿題となったのである。

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