2000年04月21日

米経済:軽視できない金融引締め効果

日本大学経済学部教授 小巻 泰之

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<今週の焦点:米経済に景気変調の芽はないのか?>

  1. やや過熱感の出始めた米景気に対し、99 年6月以降FRB は金融引締めに転じた。しかし、政策転換の効果が減殺されているとの見方が多い。
  2. 過去、景気変調(景気後退に至らない場合も含め)に先立つ経済的な兆候として、持続的なインフレ率の上昇、その後の金融引締め転換が挙げられる。
    1) 引締め転換の3四半期後に成長率がピークを迎え易い。現在、住宅面で影響は顕在化へ
    2) インフレ率が3.5%(下記グラフ・変化率では1.5%)を超える状況になると、過去は景気変調を迎えた。現在コアは2%弱だが、CPI 全体では3%弱と警戒ゾーンにある。

<最新の基礎研インデックス(P5参照)>

  • 二面等価月次GDP:3月はうるう年の反動で▲0.9%。1-3 月期は2%超の大幅成長に
  • 為替インデックス:5月の▲2.1%と緩やかな円高圧力の継続
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日本大学経済学部教授 小巻 泰之

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