1999年05月01日

日本経済の中期展望

石川 達哉

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■要旨

(1)設備資本の潜在的な収益率は15%と依然高い。ただし、巨額の負債を抱え、土地や金融資産も含めた総資産の圧縮、資本ストック調整の途上にあり、新規設備投資は抑制傾向が続く。
(2)今後の企業部門の構造調整は雇用面に及び、失業率は5%台に達する。景気が底入れしても、失業率は高止まりし、賃金上昇率も低い。
(3)通常の不況期では消費が景気の下支え役を果たすが、将来に対する不透明感の高まりから消費性向が落ち込み、今局面では消費が低迷している。しかし、景気底入れと各種調整の進行とともに消費性向は徐々に回復可能で、トレンドラインへの復帰は2003年度の見込み。
(4)財政政策は2000年度以降、中立姿勢に転換。それでも、国と地方の財政赤字は2003年度にGDP比8%程度残り、国債残高は420兆円に達する。経常収支の趨勢は大きく変わらず、GDP比3%の黒字。
(5)99~2003年度の平均成長率は1.1%にとどまるが、民間部門の自立再生に向けた助走期間と位置づけられる。

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