- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 財政・税制 >
- 社会保障問題を考える視点
社会保障の制度整備は、近代国家のほとんどすべてにおいて、常に政策論争の対象となってきた。しかしながら近年、世界中の多くの国で従来以上に、この社会保障をめぐる政策論争が活発化している。基本的な認識は、財政赤字の拡大が急速に進み、また人口の年令構成変化が見込まれているなかで、今日の制度(公的年金や医療・介護制度)がもはや完全に維持可能性を失っている、という点にある。
日本において、こうした社会保障改革は、他の先進工業国以上の緊急性と重要性をもっている。経済の悪化を反映して財政赤字の拡大が急速に進んでおり、人口構成の変化も他に例を見ないようなスピードで進む。またそもそも、経済の悪化自体が、現在の財政破綻状況とそこから来る将来の生活に対する先行き不安から生じた、という側面がある。政府と民間の役割分担の見直しとも絡み、経済再生の一環としての社会保障制度改革が、政策上新しい争点になろうとしている。
しかしながら、そもそも社会保障に絡む議論は細部の技術論が先行しがちで、その骨格が見えにくい傾向がある。年金や介護といった問題に、ある程度の技術議論が必要としても、より基本的な視点を踏まえた検討が不可欠であろうことは言うまでもない。そこで本論では、今日の社会保障問題の基本的な背景を検討する。そうすることによって、改革の基本的な方向を考えるヒントが得られると考える。
竹中 平蔵
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月29日
晩年に関する不安~老後とその先の不安には「近居」が“程よい距離感” -
2024年03月29日
急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に -
2024年03月29日
身体活動基準2023~座位行動時間、筋トレに関する指針が追加 -
2024年03月29日
鉱工業生産24年2月-不正問題の影響で自動車生産が一段と落ち込む -
2024年03月29日
管理職志向が強いのはどんな女性か~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(6)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【社会保障問題を考える視点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
社会保障問題を考える視点のレポート Topへ