1993年12月01日

香港の生命保険の現状について

渡邊 克彦

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■見出し

1.はじめに
2.保険監督行政
3.保険会社数
4.市場規模
5.個人保険の商品内容
6.販売チャネル
7.関連諸団体
8.最近の業界の動き

■はじめに

香港は地理的には、中国大陸の東南岸、広東省の南部に隣接し、珠江口の東岸最南端に位置している。面積は東京都の約半分の1,070km2、人口は約590万人で、その内の98%は中国人である。日本では、映画「慕情」の舞台、百万ドルの夜景、グルメ、ショッピングなどで有名であり、年間130万人もの日本人観光客が訪れている。

香港は埋蔵資源に之しく、また固い花崗岩におおわれた土地は“不毛の土地”と言われていた。しかし、ビクトリア・ハーバーという天然の良港に恵まれ、自由貿易港として中継貿易、加工貿易を中心に戦後驚異的に発展し、現在では東南アジア地域の金融サービスセンターとしての重要な役割を果たす世界有数の経済都市になっている。一人当りGNPも16,000米ドルを越え、アジアでは日本に次ぐ第2位の水準になっている。

生命保険の普及は一人当りのGNPと相関関係にあると言われているが、香港はその国民性(大家族による相互扶助、死を口にすることを忌み嫌う、短期的な計画性)から、経済発展に比べて生命保険の普及率は低かった。しかし近年、核家族化の進行や生命保険に対する理解度の向上、所得増加による中産階級の増加などにより、生命保険の普及率が高まってきている。

当レポートでは、このような香港の生命保険の全体像をまとめることとするが、香港では生命保険に関する資料・統計が極めて限られているために、内容の多くはヒアリング等の調査に基づいている。

尚、為替レートは1香港ドル約16円(91年末、92年末)、約14円(93年10月)である。

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【香港の生命保険の現状について】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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