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- 女性が望む就労サポート ― 育児関連制度を中心に ―
1991年11月01日
<要旨>
- 男女雇用機会均等法が施行されて5年、雇用機会の『均等の強化』と、一方では女性の『保護の推進』という流れの中で、来年4月には『育児休業法』が施行される。今後の継続的な女性労働力の確保と活用という観点から、同法が有効に機能していくことが期待されている。そこで、本稿では実際に女性が就労サポー卜として何を望んでいるのか、の調査結果を踏まえながら、来年の法施行に先がけて育児関連制度を積極的に導入している企業例を紹介する。
- 育児休業法は「一歳未満の子供を養育する男女のいずれかが育児休業を申し出た場合、企業にこれを認めるように義務づけた点」が最も大きなポイン卜である。しかし、(1)休業中の労働者に対する所得保護規定がないこと、(2)違反企業への罰則規定が盛り込まれていないこと、(3)従業員数が30人以下の事業所に対しては3年間適用が猶予される点、等が課題視されている。
- 女性自身が就労サポートとして強く望んでいることは、仕事を持つため、あるいは続けるための「能力開発、教育訓練の機会」の提供と共に、男女ともにとりやすい「育児休暇制度」「育児時間制度」や「職場内、職場内の保育所」等の育児関連制度の充実である。しかし、実際に就労している女性の意見においては、職場や仕事の条件におけるこれらの事項は満足度が非常に低いのが現状である。
- 育児関連制度をいち早くとりいれ、既に実績をあげている日本IBMや伊勢丹のような女性の就労サポート先駆的企業に続き、来年の育児休業法の施行を先取りする形でプラスアルファの魅力づけを盛り込んだ制度をスタートさせる企業が続々と出現している。
法制面での環境整備が進む中で、育児関連の諸制度の適用を希望する男女がともに利用しやすい「企業風土」を創り出すこと、また現実面での機動的な「人員補充の創意工夫」を凝らすことなど、出産・育児に関わる問題解決を当事者とその周囲に特定化するのではなく、トータルな企業環境システムとして育むべき時期にきているといえる。
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岡本 裕子
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