1990年09月01日

米国経済超短期モデル予測

勞 小君

熊坂 有三

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■見出し

1.超短期モデルの必要性
2.予測方法
3.超短期GNP予測結果

■introduction

今日は雇用統計、明日は消費者信用統計、その週日には卸売販売統計と次々に各種の経済指標が発表される。時には先の6月15日のように消費者物価指数、貿易収支、鉱工業生産指数、稼働率と重要な4つの経済指標が同日に発表されるケースもある。債券、為替等のトレーダーにとっては、発表された経済指標を即座に見極め対応することが重要であり、腕の見せどころでもある。金融政策当局にとっても日々発表される経済統計が金融政策の決定に際して重要な意味合いを持つことはいうまでもない。このため、連銀では月次経済統計から当該四半期のGNP成長率を求めるモデルの開発が行われている。また、ミシガン大学やペンシルバニア大学のクライン教授のもとでも別々のアプローチで同様の試みがなされている。

通常の四半期データをもとにしたマクロ経済モデルでは、日々発表される月次経済統計を予測に十分に活かすことはできていない。仮に活かすとしても、モデルのもついわゆる構造方程式の定数項を修正する形に終っており、月次統計の情報を必ずしも十分には予測に組み込めていない。この定数項修正の形で反映するということには、恣意性という問題が残り、一般的な計景経済モデル予測への批判にも答えられない。クライン教授はこうした定数項修正への批判を回避するとともに、日々発表される月次経済統計から当期、来期の2四半期のマクロの経済動向をできるだけ正確に把握できるような超短期モデルを開発した。

ニッセイ基礎研究所はクライン教授の開発したこのモデルのパフォーマンステストに参加しており、利用実績の蓄積も進んできたことから、超短期モデル予測方法を紹介するとともに、テスト結果から当面の米国経済の方向性を捉えてみたい。

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