1990年09月01日

プレハブ住宅の成長要因と今後の展望

  小川 則道

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【はじめに】

建て替え需要の増大や高級化志向もあいまって、このところの住宅産業は好調に推移してきた。なかでもプレハブ住宅メーカーは、近年さまざまなタイプの商品を開発・市場投入し、個性化や高級化という時代のニーズに対応しており、プレハブ住宅に対する評価はますます高まってきている。

以下ではプレハブ住宅業界の成長要因と、今後の動向についてレポートする。

<要旨>

  • 息の長い景気拡大が続く中で、'89年までの住宅着工数は3年連続で165万戸を超えるなど好調な動きを示している。しかし、'90年に入って金利が上昇に転じ、住宅着工への悪影響が懸念されはじめ、また技能工不足の深刻化が住宅供給能力を制約しつつある。
  • こうした中、プレハブ住宅業界は工業化による現場施工の極少化と技能工の社内育成で屋外労働力不足を乗り切り、ニューモデルの開発による高級住宅へのシフトと販売力・提案力の強化で消費者ニーズを捉え、高い成長を維持している。
  • また、プレハブ住宅の普及に伴う工業化の量産メリッ卜の恩恵をうけ、プレハブメーカー各社の収益カは急速に向上している。プレハブ住宅業界では、最近の住宅市場全体の停滞感を首都圏の買い替え需要に的を絞った営業展開でカバーする動きがでている。
  • 一方、消費者のホンモノ志向は在来木造工法にも根強い志向を示しており、プレハブの長所を取り入れた大手の非プレハブ住宅メーカーも業績を伸ばしつつある。
  • 反面、多様化する消費者ニーズへ対応した新商品開発は、工業化住宅の特徴であるはずのコストダウン効巣を阻害するといった側面もあり、この点で合理化の進んだ海外メーカーが日本進出を目指す動きもある。わが国メーカーとしても品質や価格といった点で海外メーカーに学ぶべき点も多く、日米木材交渉の結果等を踏まえて住宅の国際化の進展が予想されることから、今後の動向には目が離せない。

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