1989年11月01日

郊外型ショッピングセンター時代の到来

窪谷 治

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■見出し

1.二極化する消費行動
2.SCの定義と類型
3.SCへの関心の高まり
4.SCブームと行政対応
5.SCに求められるもの
6.今後の展望とまとめ

■はじめに

わが国に本格的郊外型ショッピングセンター(以下、SC)といわれる形態が出現してから20年余になる。'68年7月のイズミヤ百舌鳥SC、'69年11月の玉川高島屋SCなどが郊外型SCのはしりである。小売業は、この20年間に様々な環境変化を受けながらも、全国にSC形態の店舗を増やし、その数は1,300余り(日本ショッピングセンター協会調べ)に達するといわれる。

大駐車場を備えた郊外型の本格的SCとなると全国で200~300ヵ所程度と、その数はまだ少ないが、近年、「ららぽーと」「つかしん」に代表される大型SCの建設が相次いでおり、ブームを迎えている。

しかも、これらのSCは'60年代後半から'70年代後半にかけて大手GMS(総合小売業:general merchandise store)の出活形態の一環としてつくられた物販中心のSCとは様相を異にしている。最近の大型SCは、郊外の街づくり型、工場跡地開発裂、地元商業振興型といった設置動機に加え、スポーツ、レジャー、力ルチャー施設等を併設することによって、広域からの集客を狙っているのが特徴である。また、各SCに独自のコンセプトをもたせて、差別化を図っている。

今後も、こうした新しいタイプのSCの建設計画が目白押しで、'90年代は本格的な「郊外型大型SC時代」の到来を予感させる。

ここでは、SCを巡る最近の動きや、ブームの背景、展望についてレポートする。

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【郊外型ショッピングセンター時代の到来】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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