1989年06月01日

Rule144A-米国における私募証券流通規制緩和の動き

西山 均

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■見出し

1.米国私募証券市場の現状-発行市場における私募証券の比重の高まり
2.私募証券規制の現状
3.私募証券流通の現状
4.私募証券流通規制の緩和
5.規制緩和の影響と関係業界の反応
6.今後の展望

■はじめに

近年、米国の証券市場においては、私募証券(Private Placement)の比重が高まってきている。すなわち、証券発行市場に占める私募証券の比重は1980年の22%から1988年には43%に達するに到っており、新規発行証券の4割以上が私募証券となっているのである。

こうした中で、昨年10月25日SEC(Securities and Exchange Commission:証券取引委員会)は私募証券についての流通規制緩和を提案した。

これは、現在私募証券については2年間の保有を転売の条例としているものを、一定要件を満たす適格投資家間においては転売自由としようとするものである。

この提案が実施されれば、私募証券の流動性は大幅に増加、その流通市場の拡大により、発行体、投資家共に受けるメリットは大きいと期待されている。一方で、公募市場との競合を懸念する声も聞かれる。

いずれにせよ、私募証券の取扱いのみならず投資家保護のあり様にもかかわる提案であり、我が国の私募市場の今後の方向を占う上でもその動向を注視していく必要があると思われる。

本稿では、米国私募証券市場及びその規制の現状を踏まえつつ、SEC提案の概要と提案が実施された場合の金融市場に与える影響、更に直近の動きにつきレポートする。

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