1989年06月01日

最近の我が国の対外証券投資について

  松本 信哉

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■見出し

1.初めに
2.最近の対外証券投資の動向
3.最近の対外債券投資の特徴
4.対外債券投資の変動要因
5.結びにかえて

■初めに

1980年代に入り米国の景気拡大を中心として外需が増大するのに伴い我が国の経常収支黒字が増加する一方で、それに見合った資本収支の赤字が増加している。とりわけ対外証券投資は著しく増加しており、対外証券投資が海外への資金還流を図る上でパイプ的役割を果たしていると考えられる。この点は経常収支と対外証券投資の推移をみることにより確認できる。我が国の経常収支の推移をみると1981年(以下歴年)から黒字に転じた後、1987年に史上最高の870億ドルの黒字を計上するまで増加を続け、1988年には若干減少したものの依然として794億ドルという巨額の黒字が発生している。一方、対外証券投資の推移をみると、証券投資の赤字(本邦資本の流出を意味する)は1981年から増加に転じた後1986年には1,020億ドルの巨額に上るまで増加した。1987年には878億ドルに減少したものの、1988年は横這いの871億ドルの赤字となった。尚、長期資本収支は本邦資本(資産)と外国資本(負債)に分かれ、長期資本収支赤字の大半は本邦資本の赤字が占めている。本邦資本は直接投資、延払信用、借款、証券投資、その他に分類され、本邦資本の赤字の大宗は証券投資に負うところが大きい。

こうした中で、1985年以降続いた円高ドル安の進展や日米金利の低下など対外証券投資を巡る環境は1988年以降徐々に変化をみせている。すなわち、円の対ドルレートは若干の上下動はあるものの125-135円/ドルのレンジ内で安定した推移となっており、また米国金利はインフレ懸念(物価上昇圧力)による金融引き締めをうけて短期金利を中心に上昇している。今回のレポートではこのような環境変化のもと最近の我が国の対外証券投資の動きを整理してみたい。

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