1989年04月01日

最近の日本の貿易外収支の動向について

  平岡 博之

文字サイズ

■見出し

1.拡大する貿易外取引と貿易外収支の動向
2.貿易外収支の各項目の動向
3.まとめ

■introduction

1988年(歴年、以下同じ)の我が国の経済収支の黒字額は、795億ドル(速報、以下同じ)となり、前年に比べ75億ドルの黒字縮小となった。これは、経常収支を構成している各収支のうち、貿易収支が948億ドルの黒字となり、前年に比べ16億ドルの黒字縮小となったとともに、貿易外収支の赤字額が112億ドルと55億ドル赤字を拡大したことが大きい。

一般に、対外不均衡が議論される場合には、貿易収支の動向が主として議論されることが多い。これは、経常収支を構成している各収支のうち、最も大きな割合を占める貿易収支の動向が、経常収支の動向にほぼリンクしていること、及び統計の発表において貿易収支の方が速報性があること、などの理由によるものと思われる。しかし、より厳密に国際収支を議論する場合には、貿易外収支をも含めた経常収支ベースで議論すべきであり、実際、OECDやIMFのような国際的な場で対外不均衡が議論される場合には、貿易収支ではなく、経常収支ベースで議論されてきている。

また、近年貿易外取引の拡大には目覚ましいものがあり、その伸びは貿易取引の伸びを大きく上回っており、貿易外取引の貿易取引に対する比率は大きく上昇、国際取引に占める貿易外取引の重要性が次第に増してきている。このため、ガットの多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)でも、貿易取引のみならず、貿易外取引が主要なテーマとして認識されるようになってきている。

そこでこのレポートでは、近年の貿易外取引の拡大から、今後貿易外収支の動向が、経常収支の動向により大きな影響を与えていく可能性があることに鑑み、日本の最近の貿易外収支の動向について見てみたい。

このレポートの関連カテゴリ

平岡 博之

研究・専門分野

レポート

アクセスランキング

【最近の日本の貿易外収支の動向について】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

最近の日本の貿易外収支の動向についてのレポート Topへ