1988年09月01日

中国・往宅制度の現状と改革の試行方向

井田 武雄

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■見出し

1.はじめに
2.現状
3.住宅制度改革の目標と具体的政策
4.今後の課題

■はじめに

中国政府は「今年から3~5年の年月をかけて住宅制度の改革を進める」ことを決定した。現在、人民の間の最も大きな関心事とさえなっており、特に都市部において顕著である。人民日報でも『房改天地』(日本語では差詰“住宅論檀”とでもいった意味)と題する連載シリーズまで登場してきている程である。

そもそも社会主義国家においては、住宅制度は老後保障制度等と並んで、国家による充実した制度が完備されているもの、と想像されるのが外からみた一般的なところである。そうであるからこそ、この改革が急務の大事となっている社会背景や改革の目的・意義等に極めて深い関心が寄せられる。

中国の住宅制度が現在抱えている課題は、ひと言でいえば、住宅の現状に人民が底深い不満を持っており社会問題にまで至っていること、一方国家財政負担が巨大になり過ぎていること、そして改革の前提となる基本的考え方として、「住宅」に対する観念の転換(=住宅の商品化)が図られようとしていること等にあるといえる。

特に、住宅の商品化が図られていく改革過程において、金融が制度として根底で関わっていくこととなるのは想像に難くないところでもあり、更にそうした動きが金融制度の改革をも促すことともなろう。

小稿では、この試行中の中国・住宅制度改革の動向について、改革試行実験都市の実例をも交じえながら簡単に紹介する。

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