具体的な方策はいまだ検討中のようだが、基本的な考え方について今回提案には以下のような項目が含まれている。
対象となる保険会社の範囲については、現在のところ以下のような提案がなされている。
今回の提案では、このあとこうしたソルベント・イグジットに対する、個々の保険会社やPRAのコストについて推定している。詳細は省略するが、制度の構築や制度が発動してからの準備には確かに人件費や継続コストなどが上乗せになるものの、破綻にまで至ってから処理されるよりも全体としては低コストで済む、という主旨のようだ。
中国では2022年に都市部の会社員を対象とした年金(都市職工年金)の積立金について、システム上の統合を行っている。それまで年金積立金は各省(自治区・直轄市など)で統括・管理されていた。統合の目的は各地域における年金積立金の多寡を全体で調整し、余裕のない地域の年金給付の安定化をはかることにある。
中国社会科学院は2019年に都市職工年金の将来推計を発表しており、現行のままの保険料負担の場合、2035年に年金積立金が枯渇するとしている。当局は将来の年金給付に必要な年金原資を確保し、現役世代の保険料負担を少しでも軽減する上ためにも、年金積立金の運用強化、投資・運用収入の拡大を目指している8。
まず、中高年女性会社員のうち、現在、管理職に就いている女性の割合を確認する。共同研究の結果から、大企業で働く中高年女性の役職について見ると、「課長相当職」と「部長相当職」、「役員相当職」を合わせた「管理職」は計8.9%だった(図表1)。改めて、管理職に就いている女性はごく少数であることが分かる。最も多いのは「役職なし」の74.4%で、「係長相当職」は14.8%だった。
次に、共同研究の中で、現在、管理職に就いている女性167人に対し、どのような課題を感じているかを尋ねた結果が図表2である。まず、「特に課題は感じていない」(17.6%)と「分からない・該当しない」(0.8%)を除き、職務や職場に何らかの課題を感じている女性が、全体の約8割に上った。
3でみたように、管理職に就任した女性が、個人のメンタルだけではなく、職務の在り方や、職場の組織運営や働き方などに課題を感じていることから、企業にとっては、女性管理職に能力を発揮してもらうために、これらの点を見直していくことが課題だと言える。
冒頭に述べたように、現在は、女性管理職の人数が少ないことから、企業では、数を増やすためにどうするか、という登用の課題に取組の重点が置かれ、登用後の取組にまで手が回っていないケースも多いのではないだろうか。共同研究で、そもそも経営トップが、「女性登用」の意義を理解していないという回答が2割に上ったことは、日本の女性登用の取組が、まだ表面的で、深層にまで至っていないことを示している。
「女性」に限らず、属性や価値観などにおいて、多様な人材を活用する「ダイバーシティ経営」を取り入れることには、様々な“成果”が期待されている。経済産業省の整理では、直接的な効果(財務的価値)としては、創造性や生産性が増したり、新しい商品やサービスの開発・改良が生まれたりすること、間接的な効果(非財務的価値)としては、企業のブランドイメージが上がって良い人材を確保しやすくなったり、市場評価が上がったりすることが挙げられる8。
3-1│職場の女性社員からみた「女性管理職登用の効果」
国内では、政府が音頭を取って、法整備によって「女性活躍」政策を進めてきたため、大企業を中心に、女性登用の動きは活発である。しかし、共同研究のアンケート結果を見る限り、多くの企業で女性を「登用」はしているが、「活躍」はしていない、またはできていない、というのが現状ではないだろうか。このような状況が続けば、企業の中では、女性社員からも男性社員からも、「女性登用」に対する目線は冷たいままだろう。
1|運動・スポーツ実施頻度~非実施者が増加したが、週5以上実施者の増加
When you wish upon a star. (星に願いを『ピノキオ』)
スーパーボウルはアメリカンフットボールリーグ「NFL」の優勝決定戦で、アメリカ合衆国(以下アメリカ)で最も人気のあるエンターテインメントイベントである。2024年2月11日に開催された第58回大会ではAFC王者のカンザスシティ・チーフスとNFC王者のサンフランシスコ・49ersが対戦し、チーフスが25-22で勝利し2年連続4度目の優勝を果たした。今年は大人気アーティスト「テイラースウィフト」が恋人でチーフスのタイトエンド、トラビス・ケルシーのプレイを見るためにTHE ERAS TOURの東京公演を終えた日本からアメリカに戻り、試合の開始時間までに会場に到着できるのかが日本でも話題となり、「スーパーボウル」という名前を日本で耳にする事が例年より多かったように思われる。日本ではなじみの少ない本大会だが、アメリカの世論調査を行うGallup, Inc.の「アメリカ人の好きなスポーツ調査2」でアメリカンフットボールは近年ダントツで首位3(41%)でり、そのトップリーグである「NFL」の優勝決定戦という事になると、スーパーボウル自体にも例年高い関心が集まる。併せて様々な有名アーティストが登場するハーフタイムショーも高い注目度を集める要因である。1993年の第27回スーパーボウルにマイケル・ジャクソンが登場して以降、有名アーティストが巨大なステージや豪華な演出でパフォーマンスをすることが慣例となっており、過去には「U2」「ポールマッカートニー」「マドンナ」「ビヨンセ」「レディーガガ」などが出演している。このような背景から、全米のTV視聴率の歴代TOP20をほぼスーパーボウルが独占しているほど注目度の高いイベントなのだ(表1)。ニールセンの平均視聴者数によると、第58回スーパーボウルは推定1億2370万人が視聴しており、CBS単独での平均視聴者数は1億2,030万人で、単一ネットワークでの放映としては過去最大の視聴者数となった4。圧倒的な視聴率を誇る番組であるが故にスーパーボウルのCM放送料は高く、しかも例年増加傾向にある。USA TODAYによれば2024年のスーパーボウルの30秒のCM放映料は700万ドル(約10億3600万円、1ドル148円換算)となっている。上昇率をみると2021年の550万ドル(約8億1400万円)から2022年の650万ドル(約9億6200万円)の100万ドルの価格アップは史上最高の上昇額で、約18.2%という上昇率であった5。前述した「ディズニー+」のCM「Well Said」においても700万ドルが支払われたうえで放映されているわけだが、それだけの放送料を支払っているのに、「文字が流れるだけ」という広告を流した大胆さに驚かされる。通常、スーパーボウル放映中のCMの本数は30秒枠よりも長いCMや短いCMも含めて80~100本と言われているが、その中で自社の印象を残すのはCMのクリエーターの腕の見せ所だ。華やかなCMが数多く流れる中で「Well Said」の「文字が流れるだけ」というシンプルさが逆に視聴者の目を引いたのかもしれない。
1|CAPMに基づく株主資本コスト
1|分析の概要
本稿では、グリーン成長戦略において重要な役割を担う電力業界に着目し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みと投資家による評価の関係性を確認した。投資家による評価の尺度として、株主資本コストを用いたが、残念ながら、株主資本コストは直接観測することができない上、電力業界のPBRは1を大きく下回り、一般的な株式の価値評価において使用される継続価値を前提とした方法で、株主資本コストを推計することは不適切と考えられる。このため、PBRが1を下回る状況下では、清算価値も意識した価格付けが行われていることを前提に、拡張したモデルを用いて株主資本コストを推計した。
J-REITは、エクイティ資金及び借入金を調達して賃貸不動産に投資し、そこから得られる賃貸事業収益(Net Operating Income、以下NOI)を原資に、利益のほぼ全額を投資主に還元する金融商品である。J-REITは主に、(1)保有不動産の収益力を高める『内部成長』、(2)不動産を取得する『外部成長』、(3)金融コストを低減する『財務戦略』を通じて、DPUの成長を図る。
1|保有オフィスビルのNOIは減少が続く。2023年下期は前年同期比▲1.4%減少
まずは、ZZR制度について、これまでのレポートの内容を繰り返して、簡単に説明しておく。
ここでは、ZZRの積立等を巡る最近の動向について、報告する。
以上、今回のレポートでは、2022年以降のグローバルベースでの市中金利上昇の環境下での、最近のドイツの追加責任準備金ZZRの積立等を巡る状況について報告してきた。
2-1│女性管理職比率の現状
3-1│中高年女性会社員の管理職志向
はじめに述べたように、日本では20年以上前から、政府が「指導的立場に占める女性の割合を30%」にすると目標に掲げているにも関わらず、経済界における女性管理職比率は過去10年、約1割のままほとんど前進していない。そしてその主要因としては、女性自身の意欲の低さが指摘されてきた。しかし、本稿でみた筆者らの意識調査の結果からは、それは企業側の見方に過ぎないということが分かった。
2-1│求められる管理職像の変化
2では、現在の女性管理職のタイプが多様化していること、中高年女性が目指すタイプは“協調型”が多いことを紹介した。ただし、経済界全体でみれば、男性管理職が大多数であり、男女を合わせれば、管理職のタイプの分布も異なるだろう。また、現在の50歳代の女性会社員は、平成一けた台の入社が多く、「これまでに仕えた上司は、昭和入社の“グイグイ型”の男性が多かった」という人も多いかもしれない。そのような女性にとっては、「“グイグイ型”でなければ管理職になれない」という思い込みや不安が生まれる可能性がある。
はじめに述べたように、自ら「管理職に就きたい」と名乗り出る女性は少ない。その消極性には、様々な要因があると考えられるが、管理職に対して偏ったイメージを持っていれば、プラスの方向には働かないだろう。
2-1.空室率および賃料の動向
【総合指数(24年2月)】
・前年同月比は7.69%、市場予想1(7.61%)より上振れ、前月(7.44%)から上昇(図表1)
・前月比は0.68%、市場予想(0.66%)より上振れ、前月(0.86%)から減速
【コア指数2(24年2月)】
・前年同月比は7.59%、前月(7.15%)から上昇した(図表2)
・前月比は0.54%、前月(0.60%)から減速した